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DailyArchive: 2025.01.31

歯並びは遺伝するって本当?

遺伝するのは歯並びではなく骨格です

「自分の歯並びが子どもに影響するのでは?」と心配される親御さんは少なくありません。特に、ご自身が矯正治療を経験している場合は、なおさらお子さんの歯並びが気になることでしょう。

親子で歯並びが似ているのは珍しいことではありません。それは、顎の形や顔と顎のバランスといった、歯並びに影響を与える骨格の遺伝子情報が受け継がれるためです。骨格を変えることは難しいですが、歯並びには後天的な要因も大きく関係しています。歯並びを悪くする習慣や癖がないかを確認することが、きれいな歯並びを維持するための第一歩となります。


遺伝しやすい歯並びとは?

骨格が影響している歯並びは、遺伝しやすいといえます。特に、以下のような歯並びは遺伝的な要因が強く関係します。

叢生(そうせい)

乱ぐい歯や八重歯など、歯並びが不規則になる状態を指します。顎の骨が小さいために歯が並びきらず、ガタガタになってしまうのが原因で、遺伝による骨格の要素が影響しています。

上顎前突(出っ歯)

上の歯が下の歯よりも前に突出している状態です。骨格の影響が大きく、遺伝的な要素が強い歯並びの一つです。

反対咬合(受け口)

下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせです。骨格的な要因が大きく、遺伝の影響を受ける場合が多いです。骨格が原因で受け口になる場合、矯正治療だけでは完全に治すのが難しいこともあります。


歯並びを悪くする生活習慣

骨格の遺伝だけでなく、家族で共有する生活習慣も歯並びに影響を及ぼします。

柔らかいものを好んで食べる

柔らかいものばかりを食べると噛む回数が減り、顎の筋力が十分に発達しません。顎が小さいままだと歯が並ぶスペースが確保できず、歯並びに悪影響を及ぼします。

指しゃぶり

指しゃぶりは、前歯に常に負荷をかけるため、出っ歯になりやすくなります。

爪を噛む

爪を噛む癖があると、口全体を噛みしめることになり、歯に余計な負担がかかり歯並びに影響します。

頬杖をつく

頬杖をつくことで、片側の歯に過剰な負荷がかかり、歯がV字型に傾いてしまうことがあります。

口呼吸

口呼吸が習慣化すると、下顎が下がり、舌の位置も下がります。その結果、口周りの筋肉が発達せず、出っ歯や受け口になる可能性が高まります。

このような日常の癖の積み重ねが、歯並びを悪化させる原因となることがあります。生活習慣を見直し、成長とともに変化する歯並びに悪影響を与えないようにしましょう。


アレルギーの遺伝と歯並びへの影響

アレルギー体質は遺伝しやすいといわれています。一見、歯並びとは無関係に思えますが、アレルギー性鼻炎などによる慢性的な鼻詰まりは口呼吸を引き起こします。前述のように、口呼吸は歯並びに悪影響を及ぼすため、アレルギー体質も間接的に歯並びへ影響を与える可能性があります。


まとめ

歯並びには遺伝的な要素もありますが、食事内容、指しゃぶりや爪噛み、口呼吸、頬杖などの生活習慣が大きく影響を与えます。一般的に、歯並びへの遺伝の影響は約3割程度で、残りの7割は後天的な要因によるものとされています。

「遺伝だから仕方ない」と諦めるのではなく、まずは歯並びに悪影響を与える生活習慣を見直すことが大切です。適切な対策を取ることで、きれいな歯並びを維持しやすくなります。

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