「矯正を始めたら、歯茎が下がってきた気がする…」
こうした症状に悩む方は少なくありません。歯茎が下がったように感じる場合、歯肉退縮（しにくたいしゅく）を起こしている可能性があります。
この記事では、歯肉退縮の原因やリスク、インビザライン治療との関係、そして対処法について詳しく解説します。
歯肉退縮とは？
歯肉退縮とは、歯茎が減少し、歯の根元が露出する状態のことです。進行すると、歯が長く見えるようになり、ブラックトライアングル（歯と歯の間の黒い三角形）が目立つこともあります。
歯肉退縮の主な原因
歯肉退縮を引き起こす原因には、以下のようなものがあります。
1. 歯周病
歯周病は、歯周ポケットに細菌が侵入し、炎症を引き起こす病気です。
進行すると、歯を支える歯槽骨（しそうこつ）が破壊され、歯茎が下がる原因となります。
⚠ 日本人の約8割が歯周病を発症しているといわれており、年齢を問わず注意が必要です。
2. 不適切なブラッシング
適切な歯磨きは大切ですが、間違った方法でのブラッシングは歯茎にダメージを与えます。
✅ 強すぎるブラッシング → 歯茎を傷つけ、歯肉退縮を招く
✅ 弱すぎるブラッシング → 汚れが残り、虫歯や歯周病の原因に
毎日の歯磨きは、適切な力加減で行うことが重要です。
3. 噛み合わせの乱れ
歯並びや噛み合わせが悪いと、一部の歯や歯茎に過剰な負担がかかります。
これにより、炎症が起こり、次第に歯茎が下がることがあります。
4. 歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯と歯茎に強い負担がかかり、歯肉退縮を引き起こす可能性があります。
💡 歯ぎしりによる歯への圧力は、100kgを超えることも！
心当たりがある方は、歯科医院で診てもらいましょう。
矯正治療で歯肉退縮が起こる？
実際に、矯正がきっかけで歯肉退縮を起こすケースがあります。
なぜ矯正で歯茎が下がるのか？
矯正治療では、歯槽骨に負荷をかけ、骨の吸収と再生を繰り返しながら歯を動かします。
しかし、まれに歯周組織の範囲を超えて歯が移動してしまい、歯肉退縮が発生することがあるのです。
特にリスクが高い部位
✅ 下の前歯（歯茎・歯槽骨が薄く、歯肉退縮しやすい）
歯肉退縮を放置するリスク
歯肉退縮を放置すると、以下のような問題が生じます。
1. 見た目が悪くなる
✅ 歯が長く見え、老けた印象に
✅ ブラックトライアングルが目立つ
2. 知覚過敏が悪化する
✅ 冷たいものがしみるようになる
✅ 歯の根が露出し、刺激を受けやすくなる
3. 虫歯・歯周病のリスクが高まる
✅ 歯と歯のすき間が広がり、食べかすが詰まりやすくなる
✅ 歯垢・歯石が溜まり、細菌が増殖しやすい
4. 最悪の場合、歯が抜けることも…
✅ 歯周病が進行すると、歯がぐらつき始める
✅ 歯槽骨や顎の骨が吸収され、歯が抜ける可能性も
矯正治療中に歯肉退縮を起こしたら？
歯肉退縮は自然に回復することはありません！
そのため、以下の対応を速やかに行いましょう。
① すぐに歯科医院へ相談する
✅ 治療計画の見直し（歯の移動速度の調整など）
② 歯周病チェック＆予防ケア
✅ 歯周病が進行していないか確認
✅ 定期的なクリーニングを受ける
③ ブラッシングの見直し
✅ 歯茎に優しい歯磨き方法を実践する
✅ 柔らかめの歯ブラシを使用する
④ 歯ぎしり・食いしばりの対策
✅ ナイトガード（マウスピース）を装着する
✅ ストレスを減らし、リラックスする習慣をつける
まとめ：歯肉退縮を防ぎながら矯正治療を進めるには？
矯正中の歯肉退縮を防ぐには、歯科医院との密な連携が欠かせません！
✔ 治療中に違和感を感じたらすぐに相談する
✔ 歯周病予防を徹底する（定期的なクリーニング）
✔ 適切なブラッシングを心がける
✔ 歯ぎしり・食いしばりがある場合はナイトガードを使用する
💡 矯正治療は、健康な歯茎とともに進めることが大切！
歯並びをきれいにするだけでなく、歯茎の健康も意識しながら治療を続けましょう。
